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二重標的(ダブルターゲット)―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)
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東京湾臨海署―通称ベイエリア分署の安積警部補の元に入った殺人事件の通報、それは若者が集まるライブハウスで起こった30代のホステスが毒殺されたというもの。
なぜ被害者は場違いとも思える場所で殺されたのか。
疑問を抱いた安積は事件を追ううちに別の事件との関連性に気付く。
主人公は別れた妻とひとりの娘がいる45歳の安積警部補。
その安積警部補を始めとした、ベイアエリア分署の刑事たちがそれぞれ味があって、彼らの人間模様というか、警官ではなく人間らしい姿を通して事件を追っていく様子が描かれています。
特に主人公の安積警部補は、上司からの圧力や、ベイエリア署から安積班は他の署への応援に過ぎない立場に思い悩んだり、部下の心境や行動に心配したり、そして、それらの事について考え過ぎてしまう自分について悩んでみたりと、安積が持つ良心と良識は警察官の生き方としては不器用なものかも知れないけれど、それが人間味溢れる様子として描かれているのが好印象。
本書は現在シーズン2が放映中のTVドラマ「ハンチョウ」の原作の「ベイエリア分署」シリーズの一作目で、『隠蔽捜査』の原点なんて言われる部分があるのが納得させられる警察小説でした。
シリーズは結構出てるので、これから追いかけるのが楽しみなシリーズです。
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