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オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)
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南カリフォリニアの町ピコ・ムンドに住む20歳のコック、オッド・トーマスは死者の霊が見える。
あろ時、悪霊に取り憑かれた男を見て不吉な予感を覚えたオッドはその男の後を追い、恐ろしい出来事が翌日に起こる事を確信する。
オッドは町の人を、沢山の命を救う為に行動を起こすのだが・・・。
この世に未練を残し、あちら側にいけずに現世に留まったままの死者の霊が見える青年オッド・トーマス。
オッドはそれを「贈り物」と考え、死者の想いを助けたり、また、死者からのメッセージを受け取り更なる悲劇を防ぐ事を自ら行っています。
それは、オッド・トーマスの清々しいまでの生き方の表れとして、序盤はじっくりと町の様子や、オッド・トーマスの恋人や友人であり父親のような存在である警察署長や、彼の前に現れるエルヴィス・プレスリーの幽霊など、青年を取り巻く環境が描かれています。
一転して後半に入ると、凄惨な出来事の予兆のような存在としてオッド・トーマスがボダッハと呼ぶ悪霊が、この先に待ち受ける悲劇を示唆するかのように大量に出現し、オッドが町を、そして愛する人々を助けようと奔走する様子が焦燥感たっぷりに描かれます。
そして、なぜ著者がオッド・トーマスの一人称として、少々冗長のように感じれるぐらい、じっくりと、そしてゆったりと物語を紡いできたのかが明らかにされるラストは、哀切感溢れて思わず胸が苦しくなり、読了後もしばらくの間は物語の世界から抜け出せない程の衝撃を与えてくれました。
オッド・トーマスは、まさにヒーローと称賛されるべき活躍を見せてくれるのですが、その結末はあまりにも苦いもの。
けれども、オッド・トーマスが見せてくれる清々しいまでの生き方のおかでげ、その苦みは重みがあっても、読了後の余韻は決して悪いものではなかったです。
シリーズはこの先どのような展開を見せるのか。
オッド・トーマスに安寧の日々は訪れるのか。
この先も見守っていきたいと思います。
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