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キリング・サークル (新潮文庫)
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妻を失った喪失感から立ち直れないままでいるパトリックは、とある創作サークルに通い長年の夢であった本を作る事を目指す。
しかし、その創作サークルの中のメンバーが語る夢から現れ少女たちを殺害する"サンドマン”の物語に魅了されたパトリックは、四年後、その物語を盗む事によって念願の作家としてデビューを果たす事に。
だが、そんな彼の前に現れる"サンドマン”の影は、最愛の息子を攫っていってしまう。。。
とにかく先が読めない展開に、思わず色んな事を想像しながら読み進めました。
作中作?
夢オチ?
自作自演?
ホラー?
などなど、様々な想像を掻き立てる構成は面白く、先へ先へと読ませてくれるのですが、実は意外とまっとうなサイコ・サスペンスでありました。
現実なのか、それとも幻想なのか、その境界を行ったりきたりするような描写の中で、もう少し主人公が狂気に陥るような様子が描かれていると、より作中に漂う不安感や恐怖感が増して良かったんじゃないかなぁ。
そんな中、いよいよ事件の核心に迫ったところの終盤、主人公のある"告白”によって、思わず「あ!」というか「うお!?」と思わされるところがこの作品の一番のポイントだったかと思いますね。
これがある事によって作品自体の雰囲気が、それまで読み進めた感じとはまた違ったものに感じられて良かったです。
というか、これが無かったら印象に残らない物語になったかも知れませんね。
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