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荒野のホームズ、西へ行く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1825)
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かつて子供たちにとってヒーローだったカウボーイ探偵バール・ロックハートと出会った事がきっかけで、鉄道保安官としてシカゴ・オークランド間を走る特別列車パシフィック・エクスプレスに乗り込む事になったカウボーイのアムリングマイヤー兄弟。
クセのありそうな乗客たちを乗せて列車がサンフランシスコ目指して発車して間もなく、荷物係りの死体が発見される。
シャーロック・ホームズに憧れる兄のオールド・レッドは体調不良を押して事件に乗り出す。
楽しかった『荒野のホームズ』(過去記事はこちら )の続編です。
文盲ながらシャーロック・ホームズに心酔し、推理能力に長ける兄グスタフ(通称オールド・レッド)と、その兄を支える学はあるものの直情型の弟オットー(通称ビッグ・レッド)の二人のカウボーイ兄弟が、今度はひょんな事から鉄道保安官として列車に乗り込み事件に遭遇します。
しかし兄のオールド・レッドはどうやら列車に弱い様子。
体調不良の原因を隠しながらも物事を推理する場面を逃すわけにはいかないと事件に取りかかるけれども、いまひとつ調子に欠ける。
そんな兄を先日の事件で体に銃弾を受けた後遺症だと心配しながら支える弟ビッグ・レッド。
やはりこの二人の軽妙なやり取りが可笑しく、そして楽しいんですよね~。
それに加えて荷物係りの死体発見から始まり、列車強盗や、新たな殺人、それに不審な荷物や怪しい乗客などが次々と兄弟の前に現れて、前作以上のピンチの連続に息つく暇もないぐらいで、まさに西部劇といった感じで、本格推理に更に冒険小説的要素が加わり、読んでて本当に楽しかったです。
そして何よりも感動させてくれるのは、前作でもそうでしたが兄弟の絆を感じさせてくれる場面。
兄のオールド・レッドが体調不良の原因を隠していた理由を打ち明ける場面には思わず泣けてきてしまいましたし、その他にも二人の絆が感じ取れる場面は本当にいいです。
ミステリに冒険活劇の要素を更に加えてパワーアップしたこのシリーズ、今後も楽しみですね~。
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