『駐在刑事』 笹本稜平 | 固ゆで卵で行こう!

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駐在刑事 駐在刑事
笹本 稜平

講談社 2006-07-28
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取り調べ中に無実の女性を自殺させてしまい、その責任を負わされ奥多摩の山里の駐在所に左遷させられた元警視庁の刑事である江波を主人公とした短編集。


『太平洋の薔薇』のようなハードな作品のイメージが強い著者ですが、本書はあくまでも優しいミステリでした。


警察内部に起こる軋轢に嫌気をさし、奥多摩の自然の中で心身共に癒される日々を送る江波の前に現れる事件は、それが殺人事件だったとしてもどれも陰惨な印象を与えないのは、どの事件も誰かを救うという結果をもたらすからでしょう。


それは、かつて無実だと信じながらも管理官の功名心から半ば強制的に行われた取り調べの最中に女性を服毒自殺させてしまった罪の意識を背負う江波にとってその傷を癒すには、奥多摩の美しい自然だけでなく、そういった誰かを救う事こそ警察官として本当に意義のある仕事であると自覚させてくれる事が最も重要な事だったのでは。


奥多摩や北アルプスを舞台に描かれる駐在刑事の活躍は、心温まる山岳ミステリとして楽しめました。



ところで主人公の江波や物語後半に登場するプールという犬の活躍など、もうちょっと読んでみたいですね~。