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退出ゲーム
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高校一年の穂村チカは廃部寸前の弱小吹奏楽部員。
そのチカが恋のライバルと共に、文化部の中で巻き起こる謎を解き明かしていく青春ミステリ短編集。
正直一話目の「結晶泥棒」を読んだ時はちょっと自分と合わないかなとも思いました。
ミステリとしては、高校一年生が解き明かすとしては多少無理がある・・・というか自分がこういうのが苦手なだけかも知れないですが、この話での最大の謎は最初の一文の「こんな三角関係をぜったいに認めない」かも知れないですね(笑)。
しかし二話目の「クロスキューブ」以降、徐々に面白く感じました。
「クロスキューブ」は全ての面が真っ白なルービックキューブをどう完成させるのか。
そして何故真っ白なのかを解き明かしていくのですが、なかなかに胸を熱くさせてくれる真相が待っています。
そして三話目で表題作の「退出ゲーム」では、吹奏楽部と演劇部が聴衆の前で繰り広げる退出ゲームの駆け引きが面白く、そのゲームの裏にある優しさにホッとさせられます。
ラストの「エレファンツ・ブレス」では誰も見たことのない色、エレファンツ・ブレスにまつわる物語で、これまでのお話同様に、事件の裏にあるのはやはり人の優しさがテーマになっています。
どのお話もどこかほんわかと柔らかく、そして優しさに満ちていて、各話ごとに増えていく吹奏楽部のメンバーの個性と相まって面白さが増していきます。
今回はどれも分文化部の中で起こる事件ばかりでしたが、次作では是非運動部の中で起きる事件てのも読んでみたいですね。
