| 13のラブ・ソング (角川文庫)
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菊地秀行の初期の短編集を再読してみました。
しかも、形は違えどそれぞれ愛がテーマとなっている、ある意味異色ではありけれども、実はとっても菊地さんらしい作品が詰まった短編集でもあります。
13の物語が収められているのですが、長編ではどうしても冗長になりがちな著者も、短編ではとてもキレがよく、なんとも鮮烈で清冽な印象を残してくれるのが特徴な本書。
甘酸っぱくもあり、切なくもあり、また大人っぽくも、そして奇妙でもあるその物語たちは、なんだかんだでとてもロマンチストらしい菊地さんのエッセンスがよく出ています。
特にお気に入りなのは友人の代わりにその恋人にメッセージを届けるラブストーリーである「メッセンジャー」。
旅先で一時間だけの恋人同士となる「恋人の時間」。
何故か割烹着を着たおばさんをバイクのタンデムシートに乗せる事になる「予期せぬ乗客」。
これらはなんとも甘酸っぱくも切なく、それでいて爽やかな読了感を与えてくれて好きですね~。
こういった短編集、また菊地さん出して欲しいなぁ。