『ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国』 ブランドン・サンダースン | 固ゆで卵で行こう!

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ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT) ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)
Brandon Sanderson 金子 司

早川書房 2009-05-05
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スカーと呼ばれる卑しき民の少女ヴィンは、盗賊団の一員としてひっそり目立たぬように生きてきた。

しかしある時、<ハッシンの生き残り>と呼ばれる腕に恐ろしい傷を持つ男ケルシャーに自身の中に眠っている能力を見い出され、世界を覆そうとする革命へと参加する事に。





山灰が降り、夜には霧に包まれる世界で支配王と呼ばれる神の如き存在が千年も統べる国を舞台に、金属を体内で燃やし不思議な能力を発現させる盗賊たちが、世界を覆さんとする革命を描く新シリーズが開幕です。


合金術と呼ばれる体内で金属を燃やして様々な能力を使う<霧の使い>と呼ばれる存在。

彼らは何かしら一種類の金属を燃やす事によって、誰かの心をなだめたり、体を屈強にしたりと、それぞれが一つの能力を持っている。

それに対して<霧の落とし子>と呼ばれる者は、二種類以上の金属を燃やしていくつもの能力を使う事ができる稀有な存在。

その<霧の落とし子>であるヴィンと盗賊団の首領であるケルシャーをメインに描かれていくのですが、まだシリーズが開幕されてばかりという事で、支配王という存在など様々な謎に満ちています。


しかし、その合金術という魔法のような設定など世界観は魅力的で読み始めてすぐに物語の中に惹き込まれていきます。

異世界ファンタジーを描く上でこうした、世界に惹き込ませる力というのは何よりも大きなもので、この作品は最初からそれを持っているという点でこの先を非常に楽しみにさせてくれますね。



ところで合金術を使うには何かしら代償が伴うというあたり、漫画の「鋼の錬金術師」みたいだなぁ・・・なんて、ちょっと違うけれども思ったりもしました(笑)。

しかしこういった点も日本の読者には受け入れられやすいんじゃないでしょうか。


という訳でこのシリーズの今後に期待大です。