『疾風ガール』 誉田哲也 | 固ゆで卵で行こう!

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疾風ガール (光文社文庫) 疾風ガール (光文社文庫)
誉田 哲也

光文社 2009-04-09
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元バンドマンで現在は小さな芸能プロダクションに勤めている祐司は、上司に仕事上のミスを謝罪しに行かされたライブハウスのステージ上に立つギタリスト・夏美の姿に衝撃を受ける。

これは本物だと確信した祐司は、グラビアアイドルとなるような娘をスカウトしてこいという上司に逆らってでも夏美をスカウトしようとする。

そんな中、夏美が敬愛するバンドのフロントマンである城戸薫が自殺してしまう。

そしてその城戸薫という名前自体が偽名である事を知った夏美は、祐司を引き連れて薫の本当の姿を見つけようとする。






<疾風>というぐらい、夏美は元気で自由な、そして天真爛漫で才気溢れるギタリスト。

その姿に、その輝きに、誰もが夏美から良くも悪くも影響を受けています。


かつて自身がスカウトした娘が芽が出ず、少女にとって貴重な10代という時間を潰してしまった事を悔やみ、その事を引きずっていた祐司が、夏美の姿に本物を感じスカウトした事がバンドのボーカリストである薫の自殺という事件を引き起こしてしまいます。


ボーカリストとしてリスペクトしていた薫の自殺にショックを受ける夏美だけれども、何故自殺をしたのかという理由が分からないだけでなく、城戸薫という名前すら本物じゃなかったという事から、薫との間にあったと思っていた繋がりを否定された事に何よりもショックを受けます。


果たして薫との間に感じていた繋がりは何もかも偽物だったのか。

本当の薫の姿を探し始める夏美は、ただただ音楽に、そしてステージの上でギターをかき鳴らし暴れる事に没頭していただけで、周りにどのような影響を与えていたのかや、その結果、自身が何の上に立っているのかを気付かされます。


全てを受け入れる事が出来た時、夏美はより高い場所へ―天辺までみんなを連れて行ってくれるのではないでしょうか。


続編も出るようなので、より<疾風>感を夏美には出して欲しいし、天辺の眺めを見せて欲しいところです。