『治療島』 セバスチャン・フィツェック | 固ゆで卵で行こう!

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治療島 治療島
セバスチャン・フィツェック

柏書房 2007-06-21
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精神科医のヴィクトルは4年前に目撃者も死体もないかま行方知らずになって以来、失意の底に沈んでいた。

長い間断ってきた<ブンテ>紙のインタビューに応じる事によって、消えた娘ヨゼフィーヌの失踪を整理し自分の中で見つめ直すことができるのではと考え、パルクム島と呼ばれる小さな島の別荘でインタビューへ応える原稿を仕上げる事に。

しかしそんな彼の目の前に、統合失調性を患っておりその治療をしてもらいたいという、アンナと名乗る女性が現れる。

アンナの話す妄想・・・それは娘によく似た少女が親の前から姿を消す物語で、娘の事件との繋がりに興奮したヴィクトルは治療を進めるのだが、それは恐るべき真実をヴィクトルに突き付ける事になるのだった。





Kobaltさん のところで紹介されていたのをきっかけに読んでみました。


自分の目の前で消えた娘。

目撃者もなく、死体も発見されないまま行方の分からなくなった娘を想い失意の底に沈んでいた主人公が、小さな島で目の前に現れた謎の女性アンナの語る妄想が、自分の娘の事を語っているようだと気付き、なんとかアンナに続きを語らせて娘の行方を探り出そうとする物語なのですが、謎の女性アンナの語る妄想と主人公の焦燥感が合わさって、とにかく先が知りたくなってページを捲る手は止まりません。


読者を飽きさせず、先を読ませるあたりは処女作とはいえ力がありますね。


この手のサイコスリラーは何を描いてもネタバレになってしまうので、物語そのものについて触れることは適いませんが、どれが現実でどれが妄想なのか、事件の真相は何なのか、先が気になり一気読みは確実です。

ただ基本的な部分では似たような作品が既に過去にあるので“読めて”しまう部分はあるので、そこが残念なところ。

自分もそうじゃないかなと思って読んでしまいましたね。

しかしそこからもう一ひねり加えたようなラストは気持ちいいぐらいで好ポイント。


著者のこの後の作品は既に日本に紹介されているようなので、是非読んでみてその実力をもう一度確かめてみたいです。