『ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊』 誉田哲也 | 固ゆで卵で行こう!

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ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫) ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)
誉田 哲也

中央公論新社 2009-01
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連続児童誘拐事件の黒幕と思われる人物ジウを追う捜査陣。

門倉美咲巡査と東警部補は実行犯の取り調べを続けるうちにこれまでの犯罪とは違った闇の存在を感じる。

一方特進を果たした伊崎基子巡査部長は所轄の交通捜査係に異動となるが、その基子の背後には不気味な影は迫っていた。




シリーズ二作目では思いがけない展開を見せます。


ジウに迫る門倉美咲と東警部補だが、新世界秩序という恐るべき闇の存在を感じ、そこに惹かれる人たちを目の当たりする事に。

そのおぞましくも恐ろしい姿。

それは美咲の生き方とは全くの正反対の存在で、美咲はその背後にある闇の存在に不安を感じます。


一方基子の方は異動した先で基子に接触してきたフリーライター木原と共に独自にジウを追う事に。

しかし美咲たちと違ってジウを追うのは自分の強さを証明する為という個人的動機の為。

ただ闘いたいという自分の中の闇に向かって突き進む基子が直面するものは・・・。



なかなか直接的なエログロな場面があって、そういった意味でも意表を突かれましたが、何よりも物語の転がり方に意表を突かれましたね。

雨宮の存在によって基子が変わるのかと思っていた矢先に起きた前巻の事件。

それでも雨宮という男が基子が救う存在になるのではと思っていたのですが、より闇に惹かれていく様子にこの先が実に恐ろしい。


二人の正反対なヒロインがこの先に目にするもの、直面するものは何なのか。

いったい着地点をどうつけるのか。

救いはあるのか。

それとも行きつくところまで行ってしまうのか・・・。

Ⅲを読むのが楽しみでありながら怖いぐらいだ。