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火星ダーク・バラード (ハルキ文庫)
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火星の治安管理局の水島はバディの神月瑠奈と共に凶悪犯を列車で護送中、怪物に襲われるという奇妙な現象に合い意識を失う。
意識を取り戻した水島は、凶悪犯は逃亡しバディの瑠奈は銃で撃たれて死んでおり、それは水島がやったと疑われている事を知る。
疑いを晴らし、瑠奈を殺した犯人を追いつめる為に、妨害を受けながらも個人調査を始める水島は、事件に関与しているという少女アデリーンと出会う。
火星を舞台にしたハードボイルドSFなんですが、意外と浪花節で演歌っぽく、主人公が中年オヤジと少女という点や、なんというか熱さと冷たさが混在した感じが、どこか福井晴敏い似たものを感じましたが、そう思ったのは自分だけでしょうか?
もっとも福井晴敏ほどには濃さは無いですが(笑)。
意外とハードな展開を見せて、少々粗さというか、もう少しじっくり描いて欲しい部分というのも見受けられたけれど、アウトロー的な刑事である水島が、いくらバディが殺されたからといってどうして自分の身の危険を顧みずに真実を追求するのか。
自らの特殊な能力について悩みながらも、水島に純粋な想いを抱くアデリーン。
そのアデリーンの養父だるグレアムの歪んではいるかも知れないけれど、実はまっすぐな想いなど、それぞれの内面まで描かれてて、良質のハードボイルドSFが楽しめました。
ところで本作は第四回小松左京賞受賞作品で、著者のデビュー作の文庫化らしいんですが、今回の文庫化に際して単行本とは違うラストが用意されたらしいです。
単行本のラストがどうなのか気になります。
機会があれば確かめてみたいですね。
