『ソー・ザップ!』 稲見一良 | 固ゆで卵で行こう!

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ソー・ザップ! (角川文庫) ソー・ザップ! (角川文庫)
稲見 一良

角川書店 1993-06
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あるものは屈強な肉体で。

あるものは狙撃の腕前で。

あるものは手裏剣や小太刀で。

そしてあるものは猟の腕前で。

それぞれの分野で天才的な四人が、一人の男からの「命」を懸けた挑戦状を受ける。



男たちの戦いの様子はどれも短いけれども鮮烈なイメージを与えてくれる。


レッドムーン・シバと名乗る男はそれぞれの得意分野で一対一での対決を挑む、大自然の中で繰り広げられるマンハント。

四人はそれぞれの理由から挑戦を引き受けるのだけれど、クールに描かれる命の奪い合いの中で、実は逆に「生きる」という事の意義が男たちの誇りを通して描かれている。


マンハントという部分に特化した物語だけに、その「生きる」という事の意味は強くは提示されないかも知れないけれど、そこに込められたと思う著者の想いを感じ取りたいところです。