『スコッチに涙を託して』 デニス・レヘイン | 固ゆで卵で行こう!

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スコッチに涙を託して (角川文庫) スコッチに涙を託して (角川文庫)
Dennis Lehane 鎌田 三平

角川書店 1999-05
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ボストンの探偵パトリックとアンジーの元に、二人の上院議員から舞い込んだ依頼は重要な書類を盗んだ掃除婦を捜し出して欲しいというもの。

二人はその掃除婦ジェンナを探し当てるものの、ジェンナはパトリックの前で銃弾に倒れてしまう・・・。






探偵“パトリック&アンジー”シリーズ第一作目を再読しました。


シリーズを通して描かれている暴力や差別。

そしてそれを生み出す環境。

また、形は違ったり、やり方は正しいとは言えないかも知れないそれぞれの愛の形。

そういったものがこの一作目から見受けられるのが特徴ですね。


正直デビュー作という事もあって、プロットも割と単純ながらそれを複雑に見せようとする辺りなど未熟な点も目につく。


けれども信じる正義や愛の為なら躊躇わず自らを危険な域に追い込む事も厭わぬ強さと優しさが、パトリックとアンジーの魅力として描かれています。


ところで初めて読んだ時はその魅力にあまりハマる事もなく、パトリックが口にするジョークや少々気障な描写に自分は合わないかもと思ったものですが、こうやって再読してみると、シリーズのファンとなっているせいか、それとも年月が経って心に余裕ができたせいか気にならないものですねぇ。

単に歳を取ったせいかも知れないけれど(笑)。