『白き狼の息子 (永遠の戦士エルリック7)』 マイクル・ムアコック | 固ゆで卵で行こう!

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白き狼の息子 (ハヤカワ文庫 SF ム 1-28 永遠の戦士エルリック 7) 白き狼の息子 (ハヤカワ文庫 SF ム 1-28 永遠の戦士エルリック 7)
著:マイクル・ムアッコク  訳:井辻 朱美

早川書房 2007-03
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エルリック新三部作もこれにて終幕です。


前作に引き続いてエルリックはジャグリーン・ラーンの凱旋旗艦の桁端に磔にされた状態で、エルリックに意識そのものはストームブリンガーを求めて<千年の夢>の中。


今回は現代イギリスなどヨーロッパを舞台に、エルリックの曾孫にあたるウーナッハを求めてクロスターハイムやゲイナーが暗躍する中、曾孫を救う為にエルリックも奮闘するという物語。


しかし基本的にウーナッハの視点から描かれており、エルリック自身の出番はやはり意外と少ないですね。


物語の核となるのはやはり<天秤>。

宇宙のバランスを保つ<天秤>の力を求めるクロスターハイムやゲイナーたち。

そしてそれを阻止せんとし、再生しようとする永遠の戦士たちの戦い。

多岐に渡る様々な次元の中で、その一つのパターンである戦いは、やはり永遠の戦士に救いがあるように見えず哀しいところです。


けれどもエルリックに娘や曾孫まで生まれる世界があると考えると、安息はタネローンでだけ得られるのではないと思え、それはやはり一種の救いなのかなとも思います。



ところで新三部作はやはり“フォン・ベック”シリーズを読んでないと面白味は非常に欠けますね。

先にフォン・ベックの二作品を読んでおいて良かったです。


もっともこの三部作が旧エルリックの物語から見ると雰囲気がガラリと変わっているせいもあって、単純に面白いと言えるものではないですね。

著者であるムアコックの実験性と遊び心が感じ取れる新三部作でした。

それでもエルリックがストームブリンガーを振るうシーンは昔々読んだ時のような興奮を覚えるものですねぇ。