『ビート・オブ・ハート』 ビリー・レッツ | 固ゆで卵で行こう!

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ビート・オブ・ハート (文春文庫) ビート・オブ・ハート (文春文庫)
Billie Letts 松本 剛史

文藝春秋 1997-03
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「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!おおおおおっ、刻むぞ血液のビート!」




・・・って、それはジョジョの奇妙な冒険。


冗談はおいといて、というか冗談なんか書いてちゃ失礼にあたる本作は、知らない街でボーイフレンドに置き去りにされた、お腹には七ヶ月目になる赤ん坊がいる17歳の少女ノヴァリーが主人公。

そのノヴァリーが、誰も知ってる人のいない街で触れ合った人々を通じて魔法のような人生を得る事になる物語。

それはとても暖かくて優しさに満ちています。


どん底に落ちていきそうな人生。

それを癒してくれたのは知らない街で触れ合う人々と、ウォルマートで産み落とした赤ちゃん。

愛らしい赤ちゃんの存在は惜しみない愛をノヴァリーにもたらしてくれ、人生に潤いと勇気を与えてくれます。


ほんのちょっとした描写もみずみずしいまでに脳裏に浮かぶようであり、またテンポもいいのでノヴァリーとノヴァリーの赤ちゃんアメリカスの人生にどのような輝きがもたらされるのか、ついついページをめくる手が止まりません。


勿論人生は何事もがうまくいく訳ではない。

憤慨するような事だって、そして哀しい出来事だってある。

それでも前を見つめて歩むノヴァリーとアメリカスの親子に、作中の他の登場人物じゃなくとも応援したくなるだろう。



誰もがもっている、どうしても取り返せないもの。

それを変えられる一回きりのチャンスを、ノヴァリーのように感じ取れる人というのは決して多くはないかも知れない。

だからこそノヴァリーがそのチャンスを得る事が出来た時に、ノヴァリーの幸せを我が事のように喜び、また優しさを感じ取るのかも知れないですね。