『黒いスズメバチ』 ジェイムズ・サリス | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

黒いスズメバチ (ミステリアス・プレス文庫) 黒いスズメバチ (ミステリアス・プレス文庫)
James Sallis 鈴木 恵

The Mysterious Press 1999-06
売り上げランキング : 956288
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

フリーランスの黒人探偵ルー・グリフィンの目前で、まだ会ったばかりだが友人になれそうな女性記者が目の前で凶弾に倒れる。

それは世間を騒がしている白人ばかりを狙った連続狙撃犯の仕業だった。




“ルー・グリフィン”シリーズ3作目。

もっとも邦訳されているのは本書と4作目のみで、1・2作目は紹介されてないらしいです。


舞台となる背景には今よりもまだ肌の色の違いによる差別が色濃く残る時代。

フリーで借金の取立て屋などをして生活している黒人の探偵ルー・グリフィンが、出会って間もないものの人種の壁を越えて友人になれそうだった女性記者を、白人ばかりを狙った連続狙撃犯目の前で殺された事によって、その犯人を追う様子が描かれているのですが、それはルー自身が誰にも知られないような場所に住んでいるのに象徴するように、一歩引いた視線でクールに描かれています。


実際にはルーの胸のうちには熱いものがあるのではと思われるのですが、世間に対して、そして人に対してもどこか距離を置いているようなルーの様子は、自分自身にさえ距離を置いているかのよう。

それは信じれるものが少ない時代において、自分自身を探す人生の旅を象徴しているのではと思うのは考えすぎでしょうか。