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彩雲国物語 紅梅は夜に香る (角川ビーンズ文庫)
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“彩雲国”シリーズ11巻。
平の官吏、冗官として王都に戻ってきたものの、登城禁止でする事のない秀麗だけど、自分に出来ることをと街に出る日々を送る。
そんな秀麗に貴族のお坊ちゃまから突然の求婚が舞い込んで・・・。
てな訳で今回、平の官吏でありながらも頑張る秀麗が見つけるのは、王都で密かに蔓延しはじめている贋金。
それに絡んで、周りのみんなから好意をもたれる秀麗と対比するかのように登場するのが、親のいいつけで秀麗に求婚してくる蘇芳がいい味を出しています。
彼が秀麗に対して言う「頑張りすぎ。イイ子ちゃんすぎ。鼻につくぐらい」という言葉は、どこまでも頑張り、そして正義を信じる秀麗に対して、憧れめいたものを持ちつつもやはり自分はそんな風にキレイ事で生きれないと思うような読者の気持ちを代弁しているかのよう。
そして今回の事件を通して秀麗が目にする正義の現実。
それはあまりにも厳しいもの。
それでも自分の信じた道を歩く事が秀麗にとって最も後悔しない生き方になるんでしょうね。
まぁ、もっとも今回も落ち着くところに落ち着くような決着を見せるところが、このシリーズを読んでて安心できるところでもあり、また若干不満に思うようなところかも(笑)。

