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彩雲国物語 朱にまじわれば紅 (角川ビーンズ文庫)
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“彩雲国”シリーズ6巻。
今回は雑誌に掲載された3本の番外編が収められた短編集。
一話目は本編第一巻よりも前の話で、即位したものの全く仕事をせずに引き篭もり状態の王の元で働く事になった絳攸が、府庫で出るという幽霊退治に乗り出すという話。
二話目は秀麗の官吏登用試験前のお話で影月くんが秀麗たちにどうやって出会い、そして陽月くんの存在を知る事になったのかが描かれています。
三話目は秀麗が風邪をひいて寝込んでしまい、色んな方がお見舞いにくるというお話。
もともと本編もコミカルな要素が強かったけれど、今回の番外編はそれがより色濃くでていて思わず笑ってしまうような場面がたっぷり。
特に三話目では普段はクールな黎深の慌てぶりが可笑しい。
その一方で劉輝の想いに対し、熱で浮かされながら呟いてしまう秀麗の言葉が切ないですね。
その秀麗の言葉に呼応するかのように、あとがきの後に収められた「薔薇姫」という物語がなんとも切なく胸を締め付けます。
劉輝と秀麗の今後を暗示しているのか、それとも・・・。
ところで本編でも語られてない今後の伏線とも思えるような描写が多かったですね。
その辺も含めて7巻目以降も楽しみに読みたいと思います。

