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ながい眠り (創元推理文庫)
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盗みには入られた不動産屋で盗られたのは賃貸契約書のファイルのみ。
やがてそこが管理している貸家から胴体だけの女性の遺体が発見される。
遺体の身元も分からず手掛かりも僅かという状況の中で、フェローズ署長をはじめとする捜査陣はその捜査に行き詰る。
『愚か者の祈り』(過去記事はこちら )が面白かったので、フェローズ署長シリーズの一作目となる本書も手に取ってみました。
面白いのは『愚か者の祈り』では推理というものを否定し事実の断片を集めて真実を導き出すという事を信念とする警部が主人公だったのに対し、フェローズ署長は手掛かりを元にいくつもの推理に基づいて捜査をするといった、真逆のような捜査方法をみせるといったところですね。
相棒となる刑事も同じように逆の立場になっているの点も興味深いところ。
事件そのものは、フェローズ署長のその推理によって捜査した結果はことごとく反証にあってしまい、犯人どころか遺体の身元さえ判明する事が適わない。
しかし、めげずに推理することでついに身元が判明したところで捜査も大詰めに。
そこでフェローズ署長が考え付いた推理とは?!
それは警察小説としての魅力もさることながら、ミステリとして謎解きの楽しさも味あわせてくれます。
もっとも勘のいい読者なら犯人については想像できてしまうかも知れないですね。
自分も終盤に入って確信をもったんですが、「思い付くのが遅い!」と、もうちょっと早くに気付けたんじゃないかと自分自身に残念な感じを覚えました(笑)。

