- 著者:スティーヴン・グールド 訳:公手 成幸
- 『ジャンパー グリフィンの物語』 (ハヤカワ文庫)
5歳の時にテレポート能力に目覚めたグリフィン。
能力を隠し、父親に能力の使い方を練習させられ、そして繰り返し引越して用心して暮らしていた。
けれど、能力を持つものを殺そうとする謎の組織に居場所をつきとめられて両親を殺されてします。
ジャンプして逃げたグリフィンは親切な人たちに囲まれた新しい生活を送り始めるのだが・・・。
3月公開の映画「ジャンパー」の前日譚。
映画の原作は「ジャンパー」とその続編で邦訳はまだの「Reflex」になるそうですが、原作と映画では設定が違う為もあって、映画の設定にそって映画の主人公を助ける別のジャンパーの少年時代の物語を描いたものが本作。
ジャンパーを見つけて殺そうとする謎の組織から逃れ、新たな生活を始めるグリフィン。
だけれど迫り来る謎の組織の影に安息の日々は続きません。
親切にしてくれ匿ってくれた人たち、初めてといっていい友、それらを次々と捨てなければならず、そればかりか彼らの命までもが危険な事に。
能力を持つが故の特権と引き換えに失うものの大きさ。
それは恋人が初めて出来た事によって引き起こされた事件によって大きくグリフィンを変えます。
これまではただ逃げるだけだったグリフィンが負った心の傷は簡単に癒える事は無い。
グリフィンの戦いはここから始まり、そして映画で語られる物語に続くようです。
映画を観ようと思ってる人はこれを読んでおくと、より映画が楽しめるかも知れないですね。