- 著者:上橋 菜穂子
- 『夢の守り人』 (新潮文庫)
呪術師見習いのタンダは眠ったまま目を醒まさない姪を診て欲しいと兄から頼まれる。
だが実は同じように目を醒まさなくなった者が各地に・・・。
一方女用心棒バルサは何者かに追われている男を助ける。
その男はユグノは放浪の歌い手であり、〈木霊の守り人〉と呼ばれる存在だった。
待ちに待っていた<守り人>シリーズ3作目が文庫化で、これまでの中では一番好きなお話かも。
今回は“夢”がテーマ。
人が見る夢を糧に成長する“花”
その“花”に夢を送るユグノ。
夢に捕らわれた姪を助けるために命を懸けるタンダ。
そのタンダを命に代えても助けんとするバルサ。
かつて“花”を愛し愛されたトロガイ師。
過去に囚われ夢の世界に生きようとする者たち・・・。
それぞれの愛と弱さが世界を滅ぼそうとし、また救わんとします。
誰もが必ず一度は“あの時こしていたら”と思った事があるはず。
その時の選択は必ずしも最良のものではなかったかも知れない。
そして醒めて欲しくないと思う夢を見る事も誰もがあるはず。
それらが絡み合った時、夢と現実の狭間で人は狂気に似たものに陥る事があるのでは。
夢で見たものこそ自分にとってリアルでありたいと思う事があっても、その夢にだけに囚われたりしないで、しっかり未来を見据えて生きていきたい、そういう風に生きていけたらと思います。