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雨の牙 (ヴィレッジブックス F ア 1-1)
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日米ハーフの殺し屋ジョン・レインは、山手線の車内である男を暗殺する依頼を完遂する。
だが、偶然出会い心惹かれた美貌のジャズピアニストのみどりは、山手線で殺した男の娘だった。
そしてレインの元に舞い込んできた新たな依頼は、そのみどりを暗殺する事。
レインはみどりを守るためにこの事件の裏側を探るのだが。
日米ハーフの凄腕の暗殺者“ジョン・レイン”シリーズ一作目。
評判がいいシリーズのようなのでチャレンジしてみました。
印象に残ったのは著者は日本人では無いにも関わらず、雨に煙る東京の街並みの様子が艶やかに映る描写。
読んでる間は外国人が書いてるとは思い浮かばないぐらいでしたね。
むしろ外国人の目で見た描写だからこそ、より美しくその情景が浮かんでくるのかも。
主人公は日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフ。
二つの文化の狭間で苦悩した少年時代。
年齢を偽りヴェトナム戦争に参加し、地獄を見てきた青春時代。
過去に負った傷、心の奥に闇を抱えながら東京というジャングルの中で、政治絡みの暗殺者として生きてきた孤独な男。
だけど、美しいみどりというピアニストに出会い恋に落ちる事によって、過去と心の闇に向き合う事になります。
その向き合う様子は、みどりとの恋愛模様に二つの文化や考え方の違いを絡めて描かれるのですが、これがなかなか説得力があり、ヴェトナムでの秘められた過去をみどりに語る事によってレインをこれまでと違った意味での強い男に成長させ、また自身のアイデンティティと向き合う事によって自分自身の魂の救済を得られたのではないでしょうか。
もっともそれは逆に弱さにもなる訳ですが、みどりを守るためにレインが命を懸けて戦いを挑む必至な様子は決して完璧な冷たい暗殺者という感じではないけれど実に人間らしく、また男らしい。
また、日本の政治の暗部を外国人作家という事もあってかバッサリと切り捨てるかのように描かれてるのも特徴的でした。
そして、切ないながらも余韻が残るラストはレインとみどりの未来にとって最良のものだったのでしょうか・・・。
