『ストリップ』 ブライアン・フリーマン | 固ゆで卵で行こう!

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著者:ブライアン・フリーマン  訳:長野きよみ
『ストリップ』 (ハヤカワ文庫)

ラスヴェガスの路上で男が殺される。

男は著名な映画プロデューサーの息子で事件前にネット上に変態的なセックス映像が流されていた事でも有名だった。

事件を捜査し始めた刑事ストライドは、過去におこった殺人事件との繋がりが見えてくる。





インモラル 』の続編となる本作では、ミネソタからラスヴェガスにうつって再び刑事として働き始めたストライドが連続して起こる殺人事件と過去の殺人事件を通して、恋人でもある刑事のセリーナとの関係と自分自身に向き合う様子が描かれます。


その様子は前作でもうまく描かれていた人物造形と相まって、ラストに向かって見事に昇華されており読み応えあり。

事件そのものも一つ一つのパズルが組み合わさっていくバランスが良くて最後まで一気に読ませてくれます。


ところで舞台が身も凍るようなミネソタからラスヴェガスに移ったせいか、前作でみられた陰鬱でありながら魅力的だった雰囲気が薄れているのが読み始める気付きます。

けれど後半に入ってストライドが想うセリーナへの気持ち。

セリーナがストライドを想いながら過去の傷と未来への恐れに揺れ動く様子。

二人の間に影響を与える美人でグラマーながら性転換者である刑事のアマンダと美しくも妖しい魅力をふりまくクレア、この二人が持つ心の闇。

それらが絡み合って前作にも感じられたような雰囲気が戻ってくるあたりも見事でした。


ただラスト付近で現れる人物などは唐突感があるのでもうちょっと書き込みが欲しかったような気もしますし、事件のきっかけを作った記者をもっと活かしても良かったのではとも思いました。


けれどもラストの描写も感動的だったし、そのような欠点を補って余りあるほどこの作品は魅力的でした。

シリーズ三作目の邦訳も待たれます。