締め切りを間近に控え、いつものごとく全然原稿が進んでいないSF作家・壬生マコトはホテルでの缶詰生活を余儀なくされる。
だがそのホテルで見付けたのはアイデアではなくて死体とその上で卵を温めているニワトリだった・・・。
うわ。
あらすじだけちらっと書いてみると、なんだか普通のミステリみたい。
でも勿論火浦功の作品なのでそんな訳は無い(笑)。
この作品、雑誌連載時と文庫での出版時とではオチが大幅に違っていました。
文庫版は持ってるのですが、そのあとがきで雑誌時のオチが書かれていてどんな感じだったのか気になてました。
それがよもやこんな形で読めるようになるとは!!(笑)
今回「両A面」と名乗っているのは雑誌連載時の時のまんま、それも第一回目から最終話まで全部と、文庫版がそっくりそのまま収められているという一粒で二度おいしい、そして火浦功ファンに垂涎ものの形になっての復活。
で、基本的な内容なんですが、ハードボイルドとドタバタ劇を混ぜたような物語。
勿論主役である遅筆なSF作家ってのは著者そのものがモデルですね(笑)。
そして雑誌時ではオチはSF的・・・と言っていいのか微妙なところですがSF的なオチで無理矢理終わらせています。
文庫時には最後までハードボイルド&コメディを貫いた現実的なミステリ仕立て・・・と言っていいのか分かりませんがミステリとしてオチがつけられています(笑)。
ぶっちゃけファン以外にはおすすめ出来るようなものでは無いですが、ファンなら間違いなく買いです(笑)。