『夜市』 恒川光太郎 | 固ゆで卵で行こう!

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夜市
夜市 恒川 光太郎

角川書店 2005-10-26
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おすすめ平均 star
star間違いなく才能
star情景が分かりやすい
star大気がざわめき、風に悲鳴や笑い声が混じりだす

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大学生のいずみは高校時代の同級生である裕司から「夜市にいかないか」と誘われる。

夜市とはどんなものなのか不安を抱えながらも裕司に連れられていった岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売っていた。

何でも望むのが売られているという夜市だが、そこには厳然たるルールが存在しており・・・。





前々から読んでみたいと思ってたいた『夜市』を手に取ってみました。

第12回ホラー小説大賞受賞作である表題作の「夜市」と「風の古道」の2編が収められているのですが、どちらもホラーというよりもファンタジーといった感じの作品でした。


しかしファンタジーといってもそこには、妖しくて美しくも悲哀に満ちた世界が描かれており、読者は読み出してすぐにその不思議な世界にのめり込んでしまう事は間違いない。


「夜市」では何かを買わないと元の世界に戻れないというルールが存在しており、かつて裕司が迷い込んだ夜市で失ったものを巡って人の心の闇とそれに向き合う事の痛みや強さが切なくも美しい描写で描かれ読むものの胸を打ちます。

「風の古道」でもしかり。

ただ切なく哀しいだけでなく、痛みや恐怖を抱えた心と正面にから向き合う事の大切さも教えてくれる。


人は誰しも弱い心を持っているのだけれど、本書の主人公達のように、それに向き合っていける強さを持ちたいものである。