- 著者:北方 謙三
- 『水滸伝(12) 炳乎の章』 (集英社文庫)
宋江と晁蓋、梁山泊の首領二人の間で分かれていた意見。
それがよもやの形で一つのものになろうとしている。
志半ばで倒れた漢。
その哀しみと痛みは何よりも大きなもの。
だが、その漢と志は梁山泊の皆の中に生きている。
そして生き続けていなければならない。
全てを抱え、乗り越え、あらためて志を貫こうとする漢たちに次々と襲い掛かる試練。
その果てに得れるものとは・・・。
前巻の衝撃のラストを受け梁山泊の漢たちと共に大きな喪失感を覚えるも、ある漢が自身の心のうちに正直になる事により、最後には新たな力と希望が湧いてくるだろう。