- 著者:森 絵都
- 「カラフル」 (文春文庫)
「ぼく」の魂は生前の罪により輪廻のサイクルから外される。
しかしそんな「ぼく」の前に天使が現れ、抽選で再挑戦するチャンスを貰う。
それは自殺した中学生、真の体にホームステイし自分の罪を思い出すというもの。。。
森絵都さんの作品は初めて読みましたが、本作は薄い事もあって、またテーマは結構重いものの、その語り口にイヤミが無いため一気に読みきりました。
自分がどのような罪を犯して死んだ魂なのか思い出せない「ぼく」。
しかし自殺した真の体にホームステイし、真として過ごしていく中で発見するものとは・・・。
真自身にも問題があったけれど、真の周りの人間関係には色々と問題が。
真として病院のベッドで目覚めた「ぼく」に優しく接してくれる家族。
しかしそれぞれ実は裏の顔が。
それらを知っていく事によって人生の虚しさをおぼえる「ぼく」。
けれど、その裏の顔にはまた別の顔が隠されている。
期間限定のホームステイの気軽さで過ごす「ぼく」としての真に、周りの反応がかつての本当の真に対しては違ってくる事によって得られるもの。
それによって明らかにされる家族やクラスメイトたちの新しい一面。
それぞれ欠点はあるけれど美点もある。
そう、いろんな“カラー”をもっているのが人であり、そして人生。
生前の罪の重さによってホームステイ先は決まっている為、自身に降りかかる不幸や災難の連続にその罪の重さに恐れていた「ぼく」が見い出した答えとは・・・。
その「答え」が明らかにされる時に共感と爽やかな感動を得る事が読者はできるだろう。
ちなみにその「答え」に関しては勘のいい方ならその仕掛けに途中で気付くでしょうね。
自分も妻に何を読んでるのか訊かれた時にあらすじを語ってるうちに気付いてしまいました(笑)。
しかし、その仕掛けに気付いたとしても十二分に爽やかな感動をおぼえることができますねぇ。
折角なのでこれを機会に著者の他の作品も是非読んでみたいです。