- 著者:田中 哲弥
- 『さらば愛しき大久保町』 (ハヤカワ文庫)
親善の為に世界各国を外遊中のカナコ王女がやってきたのはなぜか大久保町。
明石原人が見たいが為にやってきたのだが、カナコ王女は何者かによって誘拐されてしまう。
そしてたまたま王女を救ったのは大久保町に住む大学生の芳裕。
二人で追っ手から逃げ出したのはいいが、なぜか芳裕自身が誘拐犯と誤解され・・・。
本書は『大久保町の決闘 』『大久保町は燃えているか 』に続く、復活版「大久保町三部作」の完結編。
舞台は割りと普通な田舎町の大久保町。
これまでが西部劇の舞台だったりナチの支配下にある街だったのから比べると拍子抜け?
いやいやそんな事はない!
一見すると普通の田舎だけれど、そこはやっぱり腐っても(?)大久保町。
奇人変人が集まれば、主人公と王女のたった半日の逃避行は、アクション全開にロマンスも芽生え、そして青春の痛みまでも感じられる極上のエンターテイメントとして輝くのだ(笑)。
それにしても本編のストーリーと関係無く突然挿入される著者の独白みたいなのが相変わらず可笑しいですね。
これがある事によって物語の進行が途絶えるのではなく、逆にアクセントのようになって引き立てる役割を持ってるのも面白く、思わずクスクス笑いながら読んでしまう(笑)。
そしてそして・・・やっぱりキレイな足の女の子にはトキメイテしまうものなんだなぁ(笑)。