- 著者:ジョン・クリード 訳:鎌田 三平
- 『ブラック・ドッグ』 (新潮文庫)
英国の元秘密情報部員のジャック・ヴァレンタインは、隣人から50年前の水兵の認識票(ドッグタグ)が打ち揚げられたがそれが兄の物らしいので一緒に検視審問に行ってくれるように頼まれる。
法廷に同行したジャックは、国防省の圧力で検視審問が延期されるところを目にし、そこになんらかの策謀を嗅ぎ取る。
イギリスの秘密情報部MRU(首相直属の影の機関で他の部署がやりたがらない汚れ仕事をする機関)の元諜報員である“ジャック・ヴァレンタイン”シリーズの3作目。
今回ジャックは打ち揚げられた50年前の水兵の認識票を発端とした国際的な策謀の渦に飲み込まれ、大切に想う周りの者も巻き込み、自身も大きな痛手を今回も負います。
隣人の為に首を認識票の事について首を突っ込んだジャックが耳にする“ブラック・キャット”と“ブラック・ドッグ”という二つの言葉。
謎を負うジャックの前に見えるかつての上司サマヴィルの影。
かつての恋人への想いや、新しいロマンス。
そして友との共闘。
謎が謎を呼び、混迷を深める展開の中必至にあがくジャックたち。
そして激しい銃撃シーンなどのアクションが、著者によって味わい深く描かれる冒険小説。
いくつかツッコミたい部分もあるけれど、その流れるような描写がある意味美しくさえ感じられるこの王道冒険小説のシリーズはやはり好きですね。
著者には是非シリーズ4作目も描いて欲しいし、また違った物語も描いて欲しいと期待です。