- 著者:ロバート・ジョーダン 訳:斉藤 伯好, 月岡 小穂
- 『竜神飛翔(4)黄金のツルは飛び立つ』 (ハヤカワ文庫)
第11部の4巻目にしてようやく主人公であるアル=ソアが登場。
やはり主役が出てくると物語も引き締まる感じ。
トロロークの襲撃もあり、久々の大規模な戦闘は盛り上がる。
けれど、アル=ソアと竜王テラモンの頭の中の会話はますます厳しい局面を迎える事を示唆しているかのよう。
3人の女性と愛し合うアル=ソアにとって、来るべき<最後の戦い>の事だけでなく、異能者達などとの駆け引きはによる心労は大きく、また癒える事のノない傷もあって、安らぐ時は殆ど無いのが不憫ですらある。
一方<白い塔>に捕らわれたエグウェーンは内部から切り崩さんとしっかり自分を持って対処している様は、アルミリン位としての威厳・尊厳を見せ付けてくれて、その精神的な成長振りが伺われ、この先<小さい塔>と<白い塔>がどのようになっていくのか楽しみだ。
ところで今回最も印象に残ったのは、それほど出番があった訳ではないけれどナイニーブ。
愛するランに向かう様子やランの為にとる行動は、これまでと違って健気というか実に可愛らしい印象を与えてくれた(笑)。
第11部も残り2巻。
先が楽しみです。