『魔界都市ブルース 幻舞の章』 菊地秀行 | 固ゆで卵で行こう!

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著者:菊地 秀行
『魔界都市ブルース 幻舞の章』 (祥伝社ノベルズ)


ほんとうに久々に“秋せつら”に再会。

しかも待望久しい短編集の方である“マン・サーチャー”シリーズ!

シリーズもこれで数えて10作目にあたる。


著者が長編よりも短編が好きだとあとがきで述べているが、何を隠そう自分も短編の“秋せつら”が好きだ。

長編ではアクションシーンばかりが目立って、というか、アクションシーンがてんこ盛りだが、短編ではアクションシーンは当然短くなる。

そのぶん作品全体に漂う優しさ、そして切なさ、それに妖しさや凄惨さが際立ち、どの物語も印象的だ。

(これは菊地さんの他の作品にも言え、個人的にはやはり菊地さんの短編集は好き)


で、今回なんですが、まずは本屋さんで表紙を見てビックリ。

なんと漫画家の小畑健に変ってるではないか。

小畑健のイラストはキレイだし、漫画も『ヒカルの碁』や『デス・ノート』も好きだった。

けれど今まで慣れ親しんできた末弥純氏のなんとも艶っぽいイラストが好きだっただけに少々残念な気も。


そしてイラストが変ったせいなのか、それとも前回から時間が空きすぎてるせいなのか分からないけれど、作品全体の雰囲気も変ってしまっている。

「ぼく」から「私」に変る場面も少ないし、せつら自身も薄い印象を与える。

なんというか、特に短編集に顕著に現れるハードボイルドっぽい雰囲気が薄れているのだ。

先に書いた作品全体に漂う優しさ、切なさが薄まり、アイデアだけが先行していて、秋せつらというキャラクターの魅力が活かされていないのはと、そんな感じがするのだ。

正直こんな秋せつらならもう見たくないかも・・・と思うぐらい個人的にはガッカリした。


だがしかし、せっかくシリーズも装い新たに復活したのだから、次回作に期待したいところです。