『ROMES 06』 五條瑛 | 固ゆで卵で行こう!

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著者:五條 瑛
『ROMES 06』 (徳間書店)

世界最先端の警備システム「ROMES」に守られている西日本国際空港。

その西日本空港に複数のテロの予告状が送られてきた。

そして「ROMES」の警報装置が作動。

テロは未然に防げるのか。

そしてテロリスト達の狙いは?





舞台は最新の警備システム「ROMES」に守られた海の要塞、西日本国際空港。

そのシステムの最高運用責任者にして、システムの全貌を知る唯一人の男である成嶋は、引退した麻薬探知犬のハルとシステム以外は何も信じない男。

その成嶋と、成嶋の下で働く砂村を中心に物語りは進みます。


ROMESが次々と作動する事態が起こる事によりテンポよく進む上に緊迫感もあり、一気に読ませてくれます。

また、各登場人物がいですね。

特に主役の二人。

愛犬ハルへの愛情溢れる表情と、常にマイペースな成嶋。

それに振り回され信用されてない事に傷つき苛立つものの、ROMESに魅了される砂村。

そして海の要塞で働くそれぞれのキャラがよくたっているし、その海の要塞を狙う“チーム”と名乗るテロリスト達の狙いも面白かった。



良質のエンターテイメントとして楽しめる一方、著者らしくストーリーの根底に流れるテーマも考えさせれます。

成嶋が「システムは忠実。問題があるのは人間」と言うように、ほんとうにシステムのように、全てがシステムのように迷いなく忠実に働く事が出来れば、それは理想かも知れない。


だが、砂村が付き合っている女性との関係を考えるように、また、システムだけを信じる成嶋も自分では気付かないでいるかも知れないが、砂村や部下を信じなかればいけないように、人間はシステムのように無駄とも思える迷いがあってこそ愛しい生き物。


空港を狙う“チーム”のその切ないまでの狙い。

それこそが愛しき人間そのものなんじゃないだろうか。

たとえそれが間違ったものだとしても・・・。



それにして成嶋と砂村のやりとりは面白かったですね。

システムと愛犬ハルしか信じない事を知っているのに、まるでそのシステムとハルに対抗して成嶋に信じて貰えるように行動する砂村は、まるで嫉妬を燃やしているようで可愛くすらあった(笑)。