- 著者:セルジュ・ブリュソロ 訳:金子 ゆき子
- 『ペギー・スー(2) 蜃気楼の国へ飛ぶ』 (角川文庫)
砂漠の町にやってきたペギー・スー一家は、お父さんが使われていない砂漠の中にある飛行場の管理の仕事をする事になったので、その飛行場に住む事に。
だが、そこは蜃気楼の見せる幻にとり憑かれた人々が蜃気楼に飲み込まれて行方不明になるという怪しい噂のある場所・・・。
そしてペギーの家族も蜃気楼の犠牲になり消えてしまう。
ペギーは青い犬と共に家族を救う為に蜃気楼の中へ。
そこは一見夢のような国だが、そこには成長し続けるお城に眠る悪魔が・・・!
シリーズ2作目の今回は、蜃気楼の見せる幻の国での冒険。
蜃気楼が見せるものは、誰もが楽しめる夢のような国。
だけど、そこには蜃気楼の国に魅入られた人たちを栄養にして眠る悪魔の存在が。
家族を助け出す為に、ペギーとテレパシーで会話できる青い犬と、55年前に蜃気楼の国へ足を踏み入れた少年セバスチャンを相棒に悪魔を起こす為に命を懸けた行動を取ります。
その冒険の描写は、1作目でも見られるブラックな笑いに満ちていて、やはり結構大人向けなファンタジーといった感じでしょうか(^^;
特に蜃気楼の国から現実の世界に戻ってきた人たちの反応が、著者の皮肉めいたユーモアがピリリと沁みるものが。
それにしても青い犬がなんともいい味を出してますね。
ペギー・スーの物語で一番印象に残るのは、ペギー自身よりもこの頼りになる相棒かも(笑)。