- 著者:火浦 功
- 『高飛びレイク 【全】』 (ソノラマノベルズ)
<高飛び>レイクと呼ばれるテレポート能力を有する銀行強盗レイクは、伝説的な犯罪者<大佐>から無理矢理だが招集され、相棒のジムやその他の犯罪スペシャリスト達と共にカジノ惑星として名高いミルザ公国を襲う計画に乗る事に・・・!
火浦功の初期のシリーズを一冊に合本し復刊!
シリーズといっても、火浦功伝説の始まりともいうべき、本編が1巻、番外編が2巻という本編より番外編の方が多いという掟破りな構成(笑)。
「僕も校正しながら先の展開が読めませんでした」
と、火浦さん本人も忘れていたぐらいなので、懐かしさと新鮮な気持ちでもって15年(以上?)ぶりぐらいに再読できた。
本編の「宇宙カジノ略奪作戦」は、なんというかまだ火浦さんの筆も初々しい感じ。
ちょっとした描写が微妙にぎこちなさを感じさせる。
しかし番外編となるそれぞれの短編は、余分な描写を削ぎ落とすせいもあってかキレがいい。
年々ギャグ度が高くなっていく火浦さんの作品だけど、この時代はまだ抑え目というか、ハードボイルドとギャグの融合のバランスが実に心地よい。
それにしても久しぶりに再読したけどやっぱり面白い。
読んでて思わずニヤニヤする自分に気付く(笑)。
ところで今回の合本復刊にあたり最後にちょこっと書き下ろしの短編が加えられている。
ほんとにページ数は少ないけれど、火浦さんの新作が読めるだけでファンは感涙か(笑)。
しかもその書き下ろしには別シリーズである“トリガーマン”の登場人物達が登場。
“トリガーマン”好きの人も注目の復刊。
そして今回初めて火浦功に触れ、その魅力に気付いた読者は「トリガーマン! 1 2/5」 (ソノラマ文庫) も読むべし!
それにしても・・・火浦さんが「あのシリーズもこのシリーズも完結させる!」なんて豪語してたのは何年前の話だっけ?(笑)