- 著者:荻原 浩
- 『ハードボイルド・エッグ』 (双葉社)
最上俊平、33歳。
フィリップ・マーロウにあこがれ探偵になった男。
ハードボイルドに生きる為に、スタイルやセリフにまでこだわるが空回り。
依頼もいなくなったペットの捜索ばかり。
ダイナマイト・ボディの秘書を募集したかったが、やってきたのは80過ぎのお婆ちゃん。
追い返そうとするが、結局雇う事に。
そんな彼に本物の事件が降りかかって・・・!
自分にとって初めて荻原浩という作家に接した始めての作品。
ですが、最初はチョット読むのがつらかったです(笑)。
ギャグなのかシリアスなのか、そのユーモラスな描写は中途半端な感じがしたせいなんですが、イグアナ捜索の件の結末のつけ方から主人公の事が好きになり、主人公が数々のドジを踏み、事件が迷走しそうになるも真相に少しずつ近づいていく後半は一気に読みきりました。
出版当時の帯には“たっぷり笑える。1回泣ける。”とありますが、たっぷり笑えるかどうかは別として、ラストのとある一行には思わず涙腺が弛んでしまいました。
まぁ、好き嫌いがハッキリわかれそうな作品ではありますが、ハードボイルドが好きで、ユーモア小説が好きなら気に入る方も多いんじゃないでしょうか。
それにしても・・・最初に読んだ時、SF作家の火浦功を模倣したような印象を受けてしまったのは自分だけでしょうか(汗)。