『無意識の証人』 ジャンリーコ・カロフィーリオ | 固ゆで卵で行こう!

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ジャンリーコ・カロフィーリオ
『無意識の証人』 (文春文庫)


妻に逃げられ、精神的に病んでいた38歳の弁護士グイードは、9歳の男の子が誘拐、殺された事件で容疑者となって逮捕されている出稼ぎにイタリアに来ているアフリカ人、アブドゥの弁護を引き受ける事になる。

状況は圧倒的に不利。

最初はアブドゥに刑期が短くて済むように略式裁判を受ける事を勧めるが、アブドゥの中に何かを見付けたグイードは無罪を勝ち取るための戦いを始める。





帯に書かれていた「ジェフリー・ディーヴァー激賞!」という文句に躍らされて読みました(笑)。

ジェフリー・ディーヴァーのような逆転につぐ逆転が楽しめる法廷スリラーかと期待して読み始めたんですが、その期待はすっかり裏切られました。


しかし、それはいい意味での裏切り。

ディーヴァーのようなドンデン返しのカタルシスは得られませんが、38年間の人生を真面目に向き合って生きてこれなかった男が、妻に逃げられて初めてほんとうに大切なものに気付く。

しかし時すでに遅く自己を見失うが、一つの事件や新しい出会いを通じて自身を再生していく様を見事に描いており、特に別れた妻と再会し会話を交わすシーンは思わず心震えるものを感じます。


法廷ミステリとしても読み応えはじゅうぶん。

エンターテイメント性は低いかも知れないけれど、人間というものに真摯に向かい合っているな・・・と、好印象を受けた。


南部イタリアを舞台に描かれた、一人の男の再生と自己発見、それにサスペンスを上品に融合させた極上の物語だ。



このシリーズの今後は勿論、他の作品も邦訳されるのが今から楽しみに待とう。





それにしてもイタリアの小説を読む事ってないので、名前とかが覚えにくかったなぁ・・・というか最後までちゃんと覚えれなかったかも(笑)。