『猛き箱舟』 船戸与一 | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

「読まずに死ねるか!」

このフレーズにピンとくる方・・・

年がバレますね(笑)。



てな訳で自分の中での「読まずに死ねるか!」作品を紹介。

第一回は、自分が冒険小説の世界に入り込ませるきっかけになった作品。




著者: 船戸 与一
タイトル: 猛き箱舟〈上〉

著者: 船戸 与一
タイトル: 猛き箱舟〈下〉


香坂正次は南米を回っているときに「灰色熊(グリズリー)」と呼ばれる、海外進出する日本企業の非合法活動の守護神といわれる伝説の男・隠岐浩蔵を知る。
“彼のようになってみせる”
と、隠岐浩蔵の筋ジストロフィーという病を患っている息子を利用し、彼に取り入り、雇ってもらう事に成功。
そして、血と消炎に煙るアフリカの大地へ。
だがそこで香坂を待ち受けていたのは・・・。




とても長い話で、最初に文庫化された時は4分冊された程。

だが、読み出せば止まらない!

プロローグで主人公の最後のシーンが描かれている為、ちょっと読む気を失せましたが、前半が終わった時にはすっかり虜に。

なんと言ってもシャヒーナの○○○を、香坂が○○○するシーンは、10代中頃の自分には衝撃的でした。

そして後半の復讐譚も素晴らしい!


まさに徹夜必死!の名作。



めまぐるしく変る世界情勢の中、国際社会における日本という国に生きる我々に、エンターテイメントを通じて問題を提起してくれる著者の、最もエンターテイメント的な作品かも知れませんね。