ドナルド・E・ウェストレイク
『聖なる怪物』 (文春文庫)
酒とドラッグに溺れている老優ジャック・パインが、インタビュアーを相手に語る狂乱の半生。狂態を見せながら語る内容は次第に現在に近づくが、そこで見えてくる真実とは・・・。
少年時代の思い出から、演劇の世界に入る、そして映画スターとなるジャックの波乱に満ちた人生と、ジャックに関わるいろんな人間達。
これをショウビズ界に対する皮肉を込めたかのように、壊れた作品作りが印象的。
ウェストレイクは“ドートマンダー”シリーズの他、ブラックなユーモアが可笑しい作品でいつも楽しませてくれますが、
その中でも特にブラックなスパイスが効いた、『斧』や『鉤』といった作品の流れの一つ・・・というか、それらより先に発表されているので、源流とも言うべき作品でした。
ただし途中まで読めば、だいたいオチが分かってしまったのが残念。
もう少し何か驚愕させてくれるものがあれば嬉しかったかも。
もっともこれは、最近流行りの“驚愕のラスト”ってやつに毒されてるからかも(笑)。
この作品はそういったものを求めるようなものじゃないですね(汗)。