ビブリア古書堂の事件手帖6~栞子さんと巡るさだめ~ 読みました。
久しぶりに栞子さんの世界を堪能しました。
今回は全編太宰治。
一巻に出てきた太宰の「晩年」を巡る話です。
太宰は、明治四二年生まれで、昭和二三年まで生きていました。
あの芥川龍之介は明治二五年生まれで、昭和二年に自殺しています。
太宰は、第一回芥川賞に次点でやぶれ、その後芥川賞は取っていません。
一巻では、太宰の「晩年」の初版本を巡るトラブルで大ケガをした俺の栞子。
その張本人田中敏雄が拘置所からでてきたのだ。
「晩年」の希少な初版本をねらっていた田中は、初版本のレプリカを
燃やしてだましたことを、見破っていたのだ。
今回のお話は、田中敏雄の祖父、五浦大輔の祖母、
そして俺の栞子の祖父たちが、昔かかわった事件までさかのぼる。
田中の祖父は太宰を愛読していた。
ある日、五浦大輔の祖母が営む食堂で、杉尾と小谷という太宰好きな
二人と大いに盛り上がった。
ロマネスクと言う、太宰の研究会を作り、「ごうら食堂」を拠点に活動
していた。
そんな彼らを古書の収集家だった富沢氏は自分の書庫を開放し
若者との熱い議論を楽しんでいた。
しかし、ある事件をきっかけに、絶縁となってしまう。
富沢の書庫から貴重な古書がなくなったのだ。
どのような希少本だったのか。
昭和23年まで生きていた太宰は、帰りの電車賃が無く、自分の本を
売りに来たそうだ。
その本にとんでもないことがかいてあったらしく・・・。
盗まれた本は、俺の栞子さんの祖父が取り戻し、富沢氏が持って
いる。
しかし、俺の栞子さんの祖父は、犯人のことを一切追求しない事を
条件に、本を宮沢氏に戻したのだった。
太宰の売った本とはどんな物だったのか。
誰が盗んだのか、動機は・・・。
田中と杉尾はすでに他界している。
47年前のの出来事の真相を、俺の栞子さんが解き明かします!
すっかり太宰にかぶれた私は目下のところ、今更ながら太宰を
読みまくっております。
いずれここで、報告いたします。




