
自民党総裁選の無投票再選について
Q.
小沢代表に伺います。安倍自民総裁が本日、無投票で再選されたことの受けとめをお伺いします。
小沢一郎 代表
A.
今日届け出だったの。それで誰もいない。岩手県知事選みたいにやると言って直前でいなくなるよりは、いいかもしれませんが、選挙の本質を考えると、やはり誰もいないということは、安倍政権のやっていることに全部賛成、全権一任ということに党内的にもなってしまうということです。これほど国の行く末を決め、国民の生活の将来も左右するような問題で、まったく意見が出ないということはちょっと異常な感じがします。
アメリカの大統領選挙だって、いっぱい(候補者が)出て、もう予備選挙でもワンワンワンワンかなり相手方の相当な酷い攻撃までします。だけど、それが終わって決まったらやはり皆で協力する。そういう形が民主主義のあるべき姿だと思います。そういう意味で自民党の状況について、かなり末期的な感じがします。
統合幕僚長の発言問題について
Q.
共産党が明らかにした統合幕僚長と米軍幹部との会談記録によれば、明らかに密約まがいの状況があり、シビリアン・コントロールの問題が出てくると思います。政治が決めるシビリアン・コントロールが骨抜きにならないでしょうか。
小沢一郎 代表
A.
シビリアン・コントロールは前にも言ったとおり、事務官僚が威張るというのではなくて、最終的にすべて政治が決断するというのがシビリアン・コントロールです。戦後、防衛庁でも事務官僚が制服官僚を抑えてきたというのがシビリアン・コントロールのように思われてきましたが、それはウソです。事務官僚だろうが制服官僚だろうが、最終的にものごとを決めるのは政治家、政治が決めるというのがシビリアン・コントロールです。
その統幕長が事前に何か言ったというのは、少し制服官僚としては僭越で行き過ぎたことだと思います。しかしそれは多分、政治、内閣、政府がそれを許すような内部の雰囲気、状況だったのではないかと思います。結局は、政治の責任です。
ですから、その制服の統幕長は、その立場として僭越ですけれども、やはり政府がしっかりしないと、そういった事実がどんどんどんどん積み重なり、政治があって無きに等しいようなことになりかねない。その点では仰るとおりです。もう少し総理以下、政府、政治家がしっかりしていかなくてはならないと思います。
15日の中央公聴会開催の議決について
Q.
先ほど参院安保特別委で採決の前提となる中央公聴会の期日が与党などの賛成で決まりました。野党側には先にやる宿題という主張もあったと思いますが、代表はどのように受け止めますでしょか。
小沢一郎 代表
A.
それは全党出てやったの? 自公だけでやったの?全党なのか、自公だけが出たのかによる。新党改革とか次世代は、自民党の別働隊だから、どっちでもいいけれども、自公だけでやったのかどうかという事実関係がないと。
小沢一郎 代表
A.
そこの事実関係をはっきりしないといけないが、仰るとおり政府与党としては中央公聴会だけでも早くやって、それで採決したいということです。野党の主張としては、今までの答弁のチグハグ、いい加減さ等々、それこそ統幕長の話しもそうだが、色んな問題があったと思うし、審議時間もまだ十分でない。
そういう中で、自公に採決をさせてしまというのは、公聴会ということが一般の人は分かんないからだと思うけれども、来週採決し、そこに野党も出席するという話しになると、ちょっともう一般国民の考え、心情からは違った方向、あるいは期待に反する国会の動きということになりかねない。
ここは事情が分からないから論評しようがないですが、いずれにしろ民主党以下、頑張ってもらいたいと思います。ご存知のとおり各党全員が廃案にと言って、これを絶対阻止すると、党首が集まってまで合意したのですから。今のような事情が、まだ機が熟してないのに中央公聴会をもし許したということになると、ちょっとどうかなと思います。
岩手県知事選、県議選の結果について
Q.
岩手県議会議員選挙が終わりました。震災の復興のさなかにある重要な時期かと思います。具体的な復興策は新しい地元リーダーたちが考えていくことでしょうが、地元選出の国会議員として岩手、被災地のこれからの姿を大きくどういうふうに捉えていらっしゃるでしょうか。
小沢一郎 代表
A.
一番この機会に禍を転じて福となすという策として、民主党が政権を取るときに統治の機構を全面的に改革し、政治主導、地方分権、これを進めるということを私は言いました。あの震災のときに菅内閣でしたが、仮に臨時的な措置であっても、個別の補助金を止めて、一括した交付金として震災地域には自由に使えるようにお金を交付する仕組みをやるべきだと色んな機会に私は発言しました。
民主党・菅内閣、続いて野田内閣でもありましたけれども、まったくマニフェストの約束は守られずに依然として霞が関の各省庁の縦の系列の中での補助金行政ということでいろんな点で遅れたり、あるいは被災地が上手く復興ができなかったりした面がたくさんあったと思います。
それは最初のころは、仮設住宅もプレハブで大手に全部発注して造ったわけです。大工さんまで被災地へ連れてきたと言われております。これなども地元の業者、あるいは地元の自治体に任せて地元業者を使って行えば、もっと用地も早く見つかっただろうし、さらにその経費もほとんどの部分が地元に還元されるという形になったのです。大手に頼めば、結局、そのお金は東京へ戻ってくるわけです。それでは本当の地域のためにならないし、ましてや震災の復興に役立たない。
それからまた、多くの家屋が流されて、人がいなくなったところがたくさんあるわけです。そうすると土地の権利関係が上手く整理できない。何かしようと思って法務省に行けば、理屈がどうだとか、こうだとかでできない。これは、地方自治体に一定の裁量の権限を与えれば、地元の人間関係の中で速やかに解決できる問題もいっぱいあったと思います。
そういった色んな縦割りの官僚支配の弊害が、この未曽有の大震災というのに依然としてコストでも時間でも無駄な面が非常に多くありました。復興予算を「いっぱいお金付けました」みたいなこと言っています。細かく足していけば、10兆円ぐらいになるのか。それが皆、役所の特別会計のフトコロに溜まって使われずにある。まったく馬鹿げた話しです。こんなことが平然と平気で行われている。メディアでも何でも話題にならない。
私は、今回の復興にあたって、なおさら我々の当初の2009年の政権交代のときのマニフェストが正しかったということを改めて実感しました。私は今後、野党で政権を狙って、それを担うということになったら、この大改革だけは、ぜひそのときのリーダーの責任でやってもらいたいという感を強くしております。
Q.
岩手県議選の結果についてどのように受け止めていますでしょうか。
小沢一郎 代表
A.
県議会ですから県連でコメントをもらいたいと思います。要は達増県政、達増知事が無競争になったということ、敵前逃亡を相手がしたということは、それだけ県民の支持が大きいということです。ですから、達増知事にまた一層の震災復興と、まさに「希望郷いわて」をつくり上げるための努力をしてもらう。そのためには県議会でもそれを応援する勢力が必要だということだと思います。結果として、達増知事を支援する県議の人たちが多数を占めるのではないかと思います。
最近の国政・地方選挙の動向について
Q.
両代表に伺います。小沢代表は、自民党が政権奪還以降もそれほど地方選挙、国政選挙で勝っているわけではないという見方を示され、3人の憲法学者が国会で話したときから潮目も変わってきていると仰っています。直近の地方選挙の個別事例では若干自公が勝っているケースもあるようですが、これまでの見方を変える必要はありますか。
小沢一郎 代表
A.
自公ではないけど、盛岡の市長は、もともと自民党でね。これはちょっと選挙のやり方だね。盛岡の市長選挙はきちっとやれば負けるわけない。そのためには、やはり皆の、政党で言えば野党の皆の力を集めてやらなければだめです。
そういう意味で、地方も国政もそういう形を取ってやりさえすれば、絶対負けないと私は思います。選挙は範囲が小さくなればなるほど、地域のことですから政党の関係とはちょっと離れた、普段の人間関係がメインになります。県知事クラスの選挙ではその後皆、良い結果ではないかと思います。
山本太郎 代表
A.
やっぱり自民を引きずり降ろさなきゃだめだなと。与党を引きずり降ろさなきゃいけないなという一件が今ありました。安保法制をやっている平安特(平和安全法制に関する特別委員会)」で、中央公聴会をセットするという議決が今、無理矢理行われました。
今日の朝の段階では、理事間では今日は議決しないという約束がされていたにもかかわらず、参考人質疑が終わった後に休憩をはさんで、民主とか維新の人たちが出て行ったあとにいきなり議決をしました。公正平等な委員会運営とか、最初に言っていたのですけど、まったくそれとは違うという。さすが自民党と言いますか。今の与党の汚いやり方が見えたなという一コマでした。
改正派遣法案の参院委での可決について
Q.
山本代表に伺います。先ほど改正派遣法案が参院委で採決されました。これは直近に影響する問題で、9月30日施行だと10月1日のみなし何とかが骨抜きになるのではないかという指摘があることについて如何お考えですか。
山本 太郎 代表
A.
今ここで説明できる情報がここにないです。ごめんなさい。それは決まるわって話しです。(議席)数が違うのですから。だからこそ今、平安特(平和安全法制に関する特別委員会)のほうでも、そのようなことがされたということです。
もうこれを解決する方法は、選挙という手続きを踏んで、ひっくり返す以外はないってことです。この改正派遣法案を通されたから安保法案を通されたからって、そこで力尽きたら何もならない。
これぐらい酷いことをやられているってことを次の選挙でねじれをつくれるようにやっぱり力を合わせてやってかなくてはならない。そのためには小沢代表が常日頃から言われている力を合わせてということが一番その実現には、早いのではないかなと思います。