もうすぐ春闘シーズンを迎える時期となりました。政府や連合は、大幅な待遇改善を
企業側に要求するようです。
それに対し、経団連をはじめとする大企業の経営陣は、前向きな姿勢を表明しているようですが、サラリーマンの約7割が勤めます中小企業は急激な円安の影響などで業績改善は遅れているのが現状です。
そんななか、約6千円もする専門的経済学の書籍『21世紀の資本』が、売れ行き好調のようです。
著者はフランスの経済学者トマ・ピケティ氏。
先月末から来日し、各地で講演や対談をされていますが、そのなかで、日本も米国ほど大きくないとはいえ、最も高い所得層の所得は急速に増え、格差が拡大していると指摘されて おります。
政権が推進している経済政策アベノミクスについては、デフレから脱却しない限り、経済を回復させるのは難しいと、方向性は支持しながらも、異次元の金融緩和に代表される金融政策に頼ったデフレ脱却は危険だとの認識を示されています。
競争激しい世界経済の下で、インフレを創出する唯一の方法は賃金を上昇させることだと述べ、
賃上げによる経済の底上げの必要性を指摘されています。
アベノミクスは、大企業を優遇し利益を上げさせることで、その下の中小企業へ富の循環が行われる、トリクルダウン理論を踏襲しているとも言われておりますが、その理論を実践した、レーガン・サッチャー
政権で失敗は既に証明されてい ると思います。
急激な円安での物価上昇に、賃金アップが追い付かない現状では、生活防衛に走、日本経済の約6割を占める個人消費の伸びは期待できず景気回復は期待できなくなります。
今求められるのは格差是正、大企業ではなく中小企業の重視の政策ではないでしょうか。