酒蔵見学③(麹編) | 酒屋の嬢ちゃんよもやま日記

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主に、富山県で『太刀山』を醸す吉江酒造の出来事とか、お酒の事とか。

中の人は名古屋でトリマーやっとります。

小出し小出しでゆきます(笑)
でも、前置きがすごく長い(^_^;)

日本酒とは、要は、お米を酵母を使ってアルコール発酵させるものなのですが。

酵母は糖分が大好き。糖分を食べる際に、アルコールを造り出すんです。
でも、酒米はデンプン質が高く、そのままでは酵母は食べてくれません。
麹は、そんな酒米のデンプンを糖に変える為に必要なものなのです(^-^)(あー難しい。)

酒造りをする際に、一麹、ニ酛(もと)、三造りという言葉があるそう。
麹造りは、全ての要。最も重要で大切な作業です。

…余談ですが、これって、いろんな仕事に通じるものがあって。
だって、私の本職である犬の美容もね、まず最初のシャンプー(洗い)の作業が一番大事で。
きちんとワンちゃんの身体、毛から汚れや油を取り除いてあげないと、乾かした時に毛がちゃんと立たないから、キレイにカットできないんだよねー。
カットの技術がどれだけすごくても、一番最初の作業でつまずいてしまうと、いい技術が生かせない。
何事も、ベースが大事って事です。


麹室(こうじむろ)。
部屋ごとに、こうやってちゃんと札がついてる!(あ、当たり前?)
ここは初めて入らせてもらった(^o^)v
うちの蔵で、唯一真冬でも暖かい部屋(笑)
(因みにその日、他の部屋の室温は4℃。
どこもかしこも冷蔵庫ん中より寒いよ!)



この台の上で、蒸し米を広げて、麹菌をふりかけて、よくもみこんでゆくんだそうな。(床もみ。)
上半身裸の男の人達が、米をわっさわっさと混ぜてる写真とかよく見るよね(笑)

そうやって、麹菌をよくもみこんで、一まとめにして保温して、菌を繁殖させて、
また米をバラバラにして米の温度を一定にして…って作業をするんだそう。(切り返し。)


麹菌がかなり繁殖したら、この木の箱に小分け。箱麹法と言うらしい。
麹を造る機械もあるみたいだけど、うちはしっかり手作業です。
だから、2人で造るには生産量に限界があるんだろうなー。

…で、菌が増殖する際に、熱を発するので、小分けにして積み上げた箱を、場所を入れ替えたり何だりして、
温度と菌糸の育ちを均一にして、ようやく麹が出来上がるのです!!(;゜0゜)

温度管理、湿度管理、夜中も手入れに来たりして、丸3日ほどかかるそうです。




そうやって、やっとの思いでできた麹さんたち(〃ω〃)

父と兄の汗と涙の結晶です(^-^)v