BOOKデータベースより
「「東京に逃げることにしたの」。
高校を卒業してまもなく、同級生だった順子から清美に連絡が入る。
二十も年上の男と駆け落ちするという。
故郷を捨て、極貧の生活を「幸せ」と言う順子に、
それぞれ苦悩や孤独を抱えた女たちは引き寄せられていく――。
自分らしく生きてゆくことの難しさ、
そこにある確かな希望を描いた連作長編。」
84年に図書部の高校生だった女性たちの2009年くらいまでの人生を語り手を変えて
描いていく連作短編タイプのお話です。
表現が秀逸で、各短編を噛みしめるように、読んでいきました。
ほぼ同年代のせいか、共感できる部分と反発さえ覚えるほど共感できない部分があります。
桜木紫乃さんの作品は、直木賞を受賞した「ホテルローヤル」を読んだときは、
なんだか合わない気がして全然読んでいなかったのですが
「ラブレス」で、その凄さを知ってから、何冊か読ませていただきました。
こちらも、手元において、また読み返してみたいと思うような大満足の作品でした。