BOOKデータベースより

「英国人作家と通訳の青年、北への旅は困難を極め……。
対照的な二人が織りなす文明衝突旅を開国直後の日本を舞台に描く歴史小説。

三浦半島の下級武士の子・伊東鶴吉は、維新後に通訳となる。
父が幕末に函館へ行き生死不明のため、家族を養う身だ。
20歳となり、東北から北海道へ旅する英国人作家イザベラのガイドに採用された。
彼女は誰も見たことのない景色を求めて、険しき道ばかりを行きたがるが……。
貧しい日本を知られたくない鶴吉とありのままを世界に伝えようとするイザベラ。
対照的な二人の文明衝突旅を描く歴史小説。」

 

開国直後の日本を舞台に描く歴史小説ということで、ちょっと身構えていましたが、

とても読みやすかったです。

移動手段が、飛行機も鉄道もなかった時代に、あえて、険しい道や外国人が行ったことのない道を選ぶイザベラ。

(なぜ、そのような道を選ぶのかは徐々に明らかにされていきます)

道中の描写も具体的で、分かりやすく、一緒に旅をしている気持になります。

伊東鶴吉視点からとイザベラ視点から描かれていますが

現代の私たちには、開国直後の日本人である伊東の視点も、ハッとさせられるものがあります。

お互いが衝突しながら、相手を尊重しつつ、分かりあえていく過程が感動的です。

 

 

この二人をモデルにした「イトウの恋」中島京子著も読んでいました。

 

 

BOOKデータベースより

「友達のように仲のいい夫婦に訪れた、突然の「妻の不在」。

スマホではこんなにも簡単に「つながる」のに、こんなにも手がかりが無いなんて。

そこはどこ? あなたは誰?

不安は、不信になり、不穏へ――。

日本を北に南に、夫は”見えない妻”を追う。

40代に入った小川暁生は、妻と二人の生活を気に入っている。
ところがある日、妻が実家に行ったきり、戻ってこない。
京都にある彼女の実家を皮切りに、彼女に縁のある場所を探る暁生だったが、

どこへ行っても、彼女は気配だけ残し、姿は無い。
見知らぬこの地で彼女は何をし、どんな顔を見せていたのか? 
遠く離れた土地と土地を結ぶ“線”には、どんな秘密があるのか? 
そもそも彼女は無事なのか?
穏やかすぎる夫婦に突然訪れた、愛のゆらぎの物語。

なにひとつ手がかりのないまま置き去りにされ、

僕は、ひとりぼっちで途方に暮れている――。」

 

本読みブロガーさんの間で、一時期話題になっていたので、図書館に予約していて、やっと読めました。

私がめちゃくちゃハマっていたドラマ「Tシャツが乾くまで」の

夫と妻が逆バージョンな感じで始まりました。

たしかに、夫婦でも、親子でも、姉妹でも、よく知っていると思っても、知らない顔がありますよね。

表紙とタイトルが秀逸です。

 

 

瀧羽麻子さん、以前読んだ「博士の長靴」も好きでした。

 

 

裏表紙より

「美術にまつわる犯罪を解決するために警視庁に新設された「美術犯罪課」。

その課長代理を命じられた森越歩未と唯一の部下馬原茜に初めて課された任務は、

日本きっての名家鷲宮家による名画コレクションの巨額脱税疑惑。

時価数百億円とも謳われるそのコレクションにだされた鑑定結果は、

なんと全てが贋作だったーー

捜査を進める中、新たに浮かび上がった「絵の中で年を重ねる美女」の謎に

美術犯罪課は、芸術探偵こと神泉寺瞬一郎の力を借りて立ち向かうがーー

今と昔、真と贋とが絡み合う傑作美術ミステリー」

 

読書: 深水黎一郎 「真贋」 | 読書とクラシック音楽の日々

本を選ぶときの参考にさせてもらっている杉下左京さんがおススメされていたので読んでみました。

 

面白かったです。

贋作づくりの蘊蓄部分も軽やかな文章で、絵画のことを全然知らなくても、楽しめます。

(ネットで調べたら、すぐ出てくるので、イメージはつかめるし)

歩未と茜をはじめ、登場人物たちのキャラクターも楽しくて

会話もコミカルで、テンポよく

謎解き部分も、納得です。

 

 

 

BOOKデータベースより

「雪永鋼は、腕のいいオルゴール修復師。

限られた仕事のみを受け、傷ついた心を抱えながら愛犬ステラと静かに暮らす日々だ。

そんな彼の前に現れた一人の女性。

父の形見のオルゴールが奏でる曲が、

なぜか昔とは全く違うものになってしまったというのだが……(「夏の名残のバラ」)。

オルゴールを巡る謎と人の心の不思議を解き明かしてゆく、切なくも優しい連作ミステリー。」

 

レストアというオルゴールの修理職人さんのお仕事小説

+ミステリー

+適応障害(鬱病)の心の行きつ戻りつしながらの回復

とても優しい読みやすい物語でした。

 

 

 

BOOKデータベースより

「「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」

自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。

代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。

医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという――。 

簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。」

 

医師という仕事を受け継ぐ土岐一族にまつわる連作短編集です。

時系列ではなく、時代を行きつ戻りつしながら、「早死に家系」と思っていたら。。。というミステリー

最後は、近未来的な、ある意味ホラーに。

現役医師である、著者らしいシニカルな感じが、グサッときます。

 

 

 

BOOKデータベース

「夫を喪くし、人生を終おうという歳。
妻でも母でも祖母でもなく、
老いた今こそ「自分」を咲かせる

高杉晋作と同じ目の高さでこの国の行く末を見つめた、たったひとりのおなご――
野村望東尼(ぼうとうに)を活写する傑作時代長編!
「わしら同志じゃけぇな。同志ん中でも、最上の同志じゃけぇ」

開国から維新へと向かう幕末の動乱期。
筑前福岡藩士の夫を見送ったモトは、出家し「望東尼」という名を授かる。
不甲斐ない息子を案じ、嫁にたしなめられつつも、

夫の遺志を携え、大坂、京都に和歌の師を訪ねる旅に出たモト。
勤王の志士と語らい、内にある政(まつりごと)への熱を呼び覚まされたモトに、

やがて運命を大きく変える
高杉晋作との出会いが訪れる。

きみがなき  あとよりかれし秋草は  生きかへりきて  花さへぞさく」

 

今年のベストかもしれません。

野村望東尼さんは、地元(といっても、福岡県、福岡市ですらなく、ものすごく狭い範囲)では幕末期の偉人です。

なので、その生涯もおおよそは知っていましたが、

素晴らしい方というわけではなく、迷いながら生き抜かれたというところが伝わってきました。

終活も考えている今の私だからこそ、納得できる部分が沢山ありました。

たとえば、「あなたといると、お母さんといるみたいに安心できてお慕い申し上げます」と30前後のシュッとした藩士から言われると、嬉しいのに、40前後の貧相な藩士から言われると、なんであんたのお母さんやねん!と心の中で突っ込みたくなるとか。

政治に興味を持ってしまうけれども、(当時の社会状況から)それが、息子や孫に、悪影響を及ぼすのではないかと迷いながら。。。という心情など。

少し前なら何ともなかったのに、体力の衰えをふとした拍子に感じてしまうところも。

 

400ページ超えの大作なので、読めるかな~と思っていましたが、

後半からは、加速度的に緊張感が増して、

京都や江戸ではない、福岡藩からみた幕末期の混迷。

正義はどっちだと揺れる状況

前途ある、能力の高い若者が、どんどん処罰を受ける恐怖。

そして、ときどきに、和歌が差しはさまれているのも、素敵。

 

ただ会話文がすべて、北部九州の方言になっています。

私は地元なので、むしろリアル感が増して楽しめますが、他の地方の方には、厳しいかも。そこはご注意ください。

 

 

 

 

 

BOOKデータベースより

「神奈川県警初の心理職特別捜査官に選ばれた真田夏希は、

知人に紹介された男性に会うため横浜駅付近のレストランに向かった。

婚活に失敗続きの夏希は、織田信和と名乗る男性に、好印象を抱く。

だが、そんな甘い雰囲気を激しい炸裂音が打ち消してしまう。

みなとみらい地区で爆発事件が発生したのだ。

翌日、捜査本部に招集され、爆発事件の捜査を命じられる夏希。

初の事件で戸惑いを覚える夏希の前に現れたのは、意外な相棒だった。」

 

ミステリーとかサスペンス小説、警察小説などの登場人物は、身体能力が高い人が多いけど、

夏希は、そうではないタイプで

科学的なアプローチから真相に迫ろうとする感じで、共感を持てました。

27巻まで出てるシリーズものの第一弾のようで、やや説明過多な部分はあるものの

楽しく読めました。

 

 

「新潮文庫の100冊」50周年記念作品。
ここでしか読めない全編文庫書き下ろし!
7人の作家が「夏」をテーマに描く小説の面白さが全て詰まった奇跡の一冊!

これはこれまで小説を愛してきてくれた人へ、そしてこれから小説の世界へ一歩踏み出す人へ贈る一冊のプレゼント。

何気なく読んだ物語が、ふと目にした一行が、意外な言葉ひとつが、人生を大きく変える。

現代を代表する7人の作家が「夏」をテーマに書き下ろした、

驚きと切なさ、怖さと不気味さ、何よりとびきりの面白さを詰め込んだ奇跡の一冊。

さぁ、あなたの人生に小説という選択肢を。
 

■目次&内容紹介(※掲載順)
伊坂幸太郎「ウッドペッカー荘事件」
白河ヨフネが解決した五つの難事件を書籍にまとめて発表してきた僕。

しかし六つ目の事件は発表するか迷っている。その理由をここに記す――。驚きと切なさが交差するミステリ。

江國香織「二つの宇宙」
極度の人見知りで、こだわりの強いおばあちゃん。

ちょっぴり変わった僕の彼女・茉莉加と会うことになったのだが……。

大学一年生の夏の夕方、永遠の時間がそこにあった。

宮部みゆき「真実のトランク」
バーで働いていた二十代前半。

その時出会ったとある財団のおじさんと人間の真実を見るという小さなトランク。

記憶に刻み込まれた、あの夏の出来事。

町田そのこ「きっとあの日の光と同じ」
高校一年生の夏。親友に彼女が出来た。

複雑な感情の中、ひと夏の恋をしようとした俺は中学の同級生と偶然出会う。

甘くて苦い青春が迸る「コンビニ兄弟」シリーズ・スピンオフ。

米澤穂信「無明」
八月の猛暑。新宿駅午後二時。自由通路を歩く女性が突如屈みこみ、泣き続ける赤ん坊の首を絞めた。どうして彼女はそのような行動に出たのか。夏をめぐる社会派ミステリ。

梨木香歩「見越しのマツ」
離婚し実家に戻ってきた真美子。

家の向かいにある大きな松の木が生えた屋敷が取り壊されたことをきっかけに不思議な物語が少しずつ動き始める。

 

恩田陸「伝説の季節」
今年の「サヨコ」は俺だ――。高校三年生の夏、受験が近づく中、学校に根付いたいわくつきの伝統を担う役に任命された春(しゅん)の運命は。心揺さぶる『六番目の小夜子』前日譚。」

 

「奇跡の一冊」とまでは。。。ですが

それぞれの作家さんの個性が光ってて、素晴らしかったです。

私には、特に後半の2作品、米澤穂信さん、梨木果歩さんの作品がしっくりきました。

 

 

 

BOOKデータベースより

「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。

40年ぶりに再会を果たした同級生のカメラマンとスタイリスト――「兎に角」
「ボケたら関係解消」が条件の70代ホストと美容師――「ひも」
遅咲き小説家と過去をあかさぬ大学教授――「情熱」
ほか、全6編。

直木賞受賞作『ホテルローヤル』、

中央公論文芸賞受賞作『家族じまい』に連なる、生き惑う大人たちの物語。」

 

「スターダスト」

「グレーでいいじゃない」

「らっきょうとクロッカス」

 

桜木紫乃さんとは、同世代です。

情熱的な恋愛とかではなく、

私が、今、読みたいなと思う作品が並んでいました。

特に「らっきょうとクロッカス」は、共感する部分が多くて、好きでした。

裁判所の職員として、札幌と最高裁を往復移動して、最高のエリートコースを進んできた女性(爪も化粧も万全、女であることに抗わず、先輩の女性職員が出世街道を突き進むことに投げやりな態度をチラつかせる男性職員とも表立ってはギスギスせず、百点を取り続けてきた)が

50歳になろうとするときに、釧路への移動を言い渡される。。。

 

 
 
 

 

長編小説の「異常に非ず」を読んでいたのですが、あまりにヘビーなので、ちょっとお休みして

短編集の

こちらから読んでみました。

 

 

BOOKデータベースより

「えっ、どうして気づいたんですか!?」
〈女副署長〉シリーズ著者の最新警察小説!

急性膵炎で長期入院していた巡査部長・弓木瞳。
復職した彼女の席は、凶悪犯担当の刑事課一係にあった。

一見弱々しい風貌の瞳だが、実は優れた観察眼から「ヤギノメ」という異名をもっていて……。

市民の生活を脅かす連続放火に特殊詐欺、そして殺人。

日常に潜む難事件の裏を、冷静沈着な瞳が見抜く。

新たな警察小説シリーズの開幕!」

 

アンソロジーなどでは、何度か読んでる気がしますが、単著では、ハジメマシテの作家さん。

キャラクターも分かりやすく、テンポもあって、肩ひじを張らずにサクサク読めますが、

意外に鋭い人間観察も。

タイトルも

刑事ヤギノメ

象の記憶

カッコウの巣

羊の皮

梟の目

動物が絡めてあって、楽しめました。

シリーズ化されるなら、続編も読みたいです。