BOOKデータベースより

「夫に突然離婚を切り出された妻の悲嘆が消えた瞬間。

第2子を身ごもった女が目にした、産婦人科での光景。

浮気相手の妊娠を妻に告げた夜。

人生の豊饒の時、「結婚後」の男女の点景を通して、

あたりまえの生活をいとなむ、

そのすぐそばに潜んでいる奇異なものたちを見逃さずに描き出した、

傑作短編小説集。」

 

以前、「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」が良かったので、

今度は、大人向けに書かれたものを読みたいと思い、こちら読んでみました。

短編で、衝撃的な事件もなく、さしたる落ちもない、話だったりもしますが、

 

自分のこととなると、小さなことでも焦ったり、

どうしても許せないと思ったり、

子どもを誰よりも愛しているものの、私って冷たいところもあるんだなと気づいたり

な感じが、本当に巧く書かれていて。

でも、かっさかさに乾いた感じではなく、人生ってそう悪くないかもとも思わせてくれる。

そういう意味でも、「枝付き干し葡萄~」って、絶妙なタイトルだと思います。