BOOKデータベースより

「退廃が翳を落とす江戸市井の片隅に、人知れず生きる男と女。

色と欲、そして仮借ない世相が時にやりきれない犯罪を呼び起こす。

残忍な手口で殺された乱暴者の遺体から、意外な犯罪のからくりと、

その憐れな動機が浮き彫りになる「大黒屋」など、

芳醇な情緒と狂おしい哀感を湛えた傑作時代ミステリー6編。

大山詣で

山椒魚

三人の留守居役

蔵の中

女義太夫」

 

どなたかのブログで見かけて

読んでみました。

各短編がバラエティに富んでいて、

時代物、

江戸市井に生きる庶民のお話ですが、

ほっこり人情噺などでは全然なくて

人の心の闇を描いたホラー

(と言っても霊などが出てくるわけではなく、人が一番恐ろしいって話)あり

本格ミステリーあり

圧倒的な筆力で書かれています。

時代物と言っても、格差社会だったり、閉塞感だったり、

現代にも通じる感じで

一編を読んで、ふ~っとなって、寝ると恐ろしい夢を見ました。

でも、素晴らしかったです。

珠玉の短編集。

紅刷り江戸噂という短編集もあるらしく、こちらも機会があれば読んでみたいです。