BOOKデータベースより
「生活に不満はないけど、不安はある。家事手伝いの岩居久澄は、
心のどこかに鬱屈を抱えながら日々を過ごしていた。
そんな彼女に奇妙なバイトが舞い込んだ。
祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。
ただそれだけで一回五千円もらえるという。
二つ返事で了承した久澄は、
初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。
歌舞伎、オペラ、演劇…。どれも楽しい。
けれど、久澄には疑問があった。
劇場でいつも会う親切な老紳士。
あの人っていったい何者…?」
本読みブロガーさんのところでご紹介されていたのと
「ねむりねずみ」とか「胡蝶殺し」などのように、歌舞伎の世界(梨園)を舞台にしたミステリー
作品を書かれる方なので、
楽しみに読んでみました。
こちらは、梨園の側ではなく、
観劇する方で、しかも歌舞伎初心者が主人公。
日常系ミステリーも絡めつつ
ある事情がきっかけで、働けなく(というか外にも出れなく)なってしまい。。。
コンプレックスを抱きつつ生活していて
こういった内容を、歌舞伎などを説明する口調になるわけでもなく、
登場人物の揺れ動く心情もきめ細かに描写しつつ
絶妙のバランスで書かれていました。
身近に働けてない人がいることもあり、考えさせられながら読みました。