BOOKデータベースより

「あの日、私はあと十五分も土手でぼんやりしていたら、津波に呑まれていたかもしれない。

奇跡のような十五分に恵まれた自分と、そうでない人とを比べて思う―。

福島県の実家で震災に遭遇した女性の実人生に基づく表題作をはじめ、

ままならない人生を直視する市井の人々を描いた大人のための名品14篇。

芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。」

 

50代くらいの主人公が、人生の意味や、歳月の流れを実感して。

でも、短編それぞれに個性があり、説得力がある。

さすが、乙川さん。

いつも丁寧なお仕事をされる一流の職人さんが作った工芸品を眺めているような気分にさせてもらえます。

本当に、「大人のための名品」という言葉が似合う短篇集です。

手元において、時々読み返したい。