おじさん、おばさんへ。


30数年間、本当にお疲れさまでした。

XX閉店のお知らせを機に改めて思い返してみると、XXのケーキは、私の子供時代の幸せな記憶と深く結びついていることに気づきました。小さい頃からクリスマスや家族の誕生日、大みそかなどの楽しい行事に必ず登場する存在だったからです。特にクリスマスケーキは、チョコレートが良いかクリームが良いか毎年、家族内で議論になりましたが、ケーキが届くとクリスマスを実感し、楽しい気分が盛り上がったことを覚えています。

高校生の時、クリスマスの前に一度、お手伝いという名目のアルバイト?ケーキ作り体験をさせていただいたことがありました。いつも通り過ぎるだけのキッチンに立たせてもらってケーキを作る工程に関わることができたのは、私にとって新鮮で貴重な体験でした。たしかイチゴを挟んだり、クリームを塗る作業をさせていただいたと思いますが、要領が悪く、お忙しい中かえって色々ご迷惑をかけてしまいましたね。。

大人になって日本を離れてからも、クリスマスや誕生日を迎えるときはよくXXのイチゴの乗ったホールケーキを思い出し、温かい気持ちになっていました。

去年の暮れに母からブランデーケーキを一本、送ってもらいました。懐かしくて私が独り占めしてもよかったのですが、ちょうど数日後にクリスマスパーティがあったため、せっかくなら皆で一緒にいただこうと思い、食事会で切り分けて参加者の皆さんに食べていただきました。するとたくさんの方々がその芳醇な味と香りに感動・感激され、また食べたい、その場所に行ったら是非寄りたいと言ってくださいました。今は、クリスマスに幸せの味をたくさんの方に共有できたことをとても嬉しく、また誇りに思っています。

長年の間、地元の方々に愛されてきたXX。XXのケーキは、これまで本当にたくさんの方々の楽しいひと時や幸せな時間に寄り添ってきたのだと思います。また、ケーキを通しておじさん、おばさんの優しさや丁寧さ、ケーキ作りに対する真摯な思いが伝わっていたのだと思います。

これまで色々お忙しかったと思いますが、これからはどうか無理をせず、お大事になさってください。また、風邪などひかぬようどうかご自愛ください。
距離は離れてはいますが、何か私にお手伝いできることがあれば教えてくださいね。

最後に、美味しいケーキと優しいお心遣いを、いつもどうもありがとうございました。
コロナが早く落ち着き、またお会いして色々お話できる日を楽しみにしています!






2022年1月31日